ギター好きに限らず音楽ファン必聴の一枚。ジェイソン・ベッカーの新作『TRIUMPHANT HEARTS』

ギター好きに限らず音楽ファン必聴の一枚。ジェイソン・ベッカーの新作『TRIUMPHANT HEARTS』

ジェイソン・ベッカー(Jason Becker)

超絶技巧派のギタリストが好きであれば、その名は聞いたことがあるでしょう。

かつてマーティ・フリードマンと組んでいたバンド『カコフォニー』ではテクニック対テクニックの応酬でにわかには信じがたいレベルでの高速ツインギターを披露していた。

マーティ・フリードマンと言えばあらゆるテクニックを超越した上で「こぶしもきかせる」異形なスタイルのギタリストですが、マーティのプレイスタイルも手伝ってカコフォニーはHR/HMというジャンルにありながら日本人の琴線に触れるメロディが多いことも特徴的だった。

そして相方であるジェイソン・ベッカーも天才ギタリストの名を欲しいままにしていた。1988年にはソロデビュー作『Perpetual Burn』を発表しているが、この時代はギタリストが最前線で活躍したテクニカル戦国時代。そんな時代に現れた多数の技巧派ギタリストの中でもテクニック的には上位に食い込むのではないでしょうか。

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そんなジェイソン・ベッカーですが、残念なことにALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病に冒されてしまい今ではギターを弾くことも出来ない身体になってしまった。

それでも音楽に対する情熱が冷めないことが凄いところで、コンピューターを駆使した作曲活動を続け、超が付くほど豪華なギタリスト、ミュージシャンが彼の創造する音楽をカタチにしようと参加して完成させたのが今回ご紹介する最新作『TRIUMPHANT HEARTS』

参加したアーティストはマイケル・リー・ファーキンス、スティーヴ・ヴァイ、ジョー・ボナマッサ、ポール・ギルバート、ニール・ショーン、マティアス “IA” エクルンド、マーティ・フリードマン、グレッグ・ハウ、ジェフ・ルーミス、リッチー・コッツェン、ガス・G、スティーヴ・ハンター、ベン・ウッズ、ジョー・サトリアーニ、ガスリー・ゴーヴァン、トレヴァー・ラビン、スティーヴ・モーズ、クリス・ブロデリック、ジェイク・シマブクロなど。

知らなかったミュージシャンもいますが、相当なメンツが揃ってますよね。

これだけの人が集まるなんて、それだけで本当に凄い。そしてアルバムの一曲目を聴けば分かりますが、今作は決してメタル・アルバムではない。さらに2曲目(歌もの)を聴けば気づきますが、全音楽ファンに向けておすすめしたい素晴らしいミュージックが溢れている。

以降の曲もギタリストの作品と言うよりは、あらゆるジャンルに造詣が深い作曲家・音楽家の作品であることがわかる。

13人のギタリストによる熱きプレイ『Valley Of Fire』

アルバム構成としては歌ものとインスト、クラシカルな曲、そしてディラン「Blowin’ in the Wind」のカヴァーまでもある。ジャンル分けは不要。ロック~ファンク~クラシック~フュージョンまであらゆる要素が混じり合ってます。暖かみのあるピアノやアコースティックなギターの音色も多く、アルバム全体の趣としてAORなサウンドと言えるでしょう。

そしてやはり特筆すべきは素晴らしきギタープレイの数々。久しぶりに長く聴けるギター・アルバムに出会えたと思う。参加ギタリストが凄い人たちばかりなので悪いわけもなく、存分にテクニカル&メロディアスなプレイを楽しめます。楽曲の幅も広いので飽きることがない。

反面、参加アーティストから想像できる音=HR/HM のような音楽は期待しない方がいい。

今作はあくまでも今のジェイソン・ベッカーが創造した音楽。

そこにはアルバムジャケットさながらに、

壮大でエモーショナルな心温まる音楽が詰まっているから。

 

2018年12月リリース『TRIUMPHANT HEARTS』

 

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