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アンビエント・ミュージック
この言葉(ジャンル)を提唱したのはイギリスの音楽家であるブライアン・イーノ。
アンビエント=環境音楽という意味合いがありますが、ざっくり言うと『聴き込む音楽』ではなく『邪魔にならない(溶け込む)音楽』というのが自身の解釈です。
誤解を恐れずに言えばその音楽の体温は決して高くなく、気持ちが昂ったり感動するようなものとはちょっと違う。
基本的にはダウンテンポであり聴き込まないため耳障りにはならない。そして気が付けば自然と溶け込むBGMと化し、心地良ささえ伴うヒーリング・ミュージック。
空間を静かに制するBGMと言った感じでしょうか。
この感覚は個人的に一部のプログレッシブ・ロックやサイケデリック・ロック、実験音楽までも含みます。
この類の音楽はキッズには理解不能であり、アダルトなジャンルであるということがもう一つの自己解釈。
お酒や煙草が大人だけに許された嗜好品であるように、子供が寝静まったあとに聴きたくなる大人のためのミュージック。
静かに過ごしたい夜のBGMに最適、アダルトな私的アンビエント・ミュージックをお届けします。
【夜のBGM】アンビエント・ミュージック10選
No.01:ジェイムス・ブレイク -James Blake- 『The Colour in Anything』
2016年発表の3rdアルバム。一聴すると退屈とも言える起伏も感情も押し殺したかのような静かな世界ではありますが、なぜかソウルを感じるし不思議な感覚に包まれてしまう。
切なさと儚さと温もりが混同し、ここではないどこかへトリップしてしまうかのようなダウナー系のミュージック。それでも優しさのあるメロディは素晴らしく、静かな夜のBGMにとてもよく似合います。
No.02:マッシヴ・アタック -Massive Attack- 『Blue Lines』
1991年発表の1stアルバム。ヒップホップ、ジャズ、ソウル、ロックなど幅広い音楽性を取り入れながら浮遊感あるサウンドでジワリジワリと脳内を取り囲んでいく。
大音量で聴くよりも、なんとなく聞こえるくらいが丁度いい。全編通して曲が文句なしにカッコいいので聴き込んでしまいたくもなりますけど、程よい音量で『耳』よりも『全身』で感じたい音楽。心地よい空間を造り上げてくれます。
No.03:ロバート・ワイアット -Robert Wyatt- 『Rock Bottom』
1974年発表のソロ名義2作目。ロバート・ワイアットは美しい声の持ち主であると同時に、美しい曲を書き上げることに秀でた天才。間違っても太陽がギラついた日中に向き合うような音楽ではありません。
歌声の素晴らしさは一聴すればすぐに分かりますが、それにも増して実験的かつジャジーで、鍵盤や管楽器も多く取り入れた本作を聴くことは大人に許された特権と言えるか。特に『Sea Song』は必聴の名曲。
は
No.04:カイト -Kyte- 『Kyte』
ポスト、シガー・ロスやレディオヘッドなどと言われたりもしている若者5人組のカイト。
売り言葉としか思えない程ビッグネームを引き合いに出されてますが、確かに可能性は端々に感じます。
スケール感があり、優しく切なくエモーショナル。今回紹介している中では唯一『歌』が前面に出ているバンドかも知れない。美しさが際立ちナイト・ミュージックにピッタリなおすすめのアルバムです。
No.05:フォー・テット -Four Tet- 『Pink』
2012年発表のアルバム。1曲目『Locked』の2分越えにわたる心地いいビートのオープニングから、メロディが繋がれていく展開が素晴らしい。その後も全体的に佳曲揃いの良盤です。
いったいどれ程の知名度・人気があるのか知る由もありませんが、有名どころと比べても一切引け目など感じません。様々なジャンルの片鱗を感じる愛すべき一枚。夜のおともに是非。
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No.06:クラフトワーク -Kraftwerk- 『Tour de France』
2003年発表。1970年から活動するドイツの電子音楽グループ。この作品以外ほとんど聴いたことがないのでコアなリスナーではないですが、もの凄くいいんです、このアルバム。
リズムが少し後ろに引っ込んでいるというか、メロディを奏でる電子音とのバランスが絶妙。浮遊感極まりなくスペーシーな音像。緻密に練り込まれたアイデアの数々が壮大な世界へ導いてくれます。
No.07:ボーズ・オブ・カナダ -Boards of Canada- 『Hi Scores』
1996年発表のEP。6曲で30分程度の作品ながらも夢へと誘うかのようなサウンドが続く。
曲の少なさから物足りなさを感じることもなく、むしろ丁度いいトリップ感を味わえます。
決して明るいとは言えない旋律やサイケな感触とビート、そして全曲通してダウンテンポな楽曲に身を委ねる感覚は正に大人の夜のミュージック。聴き込まないBGMとして最適です。
No.08:マッチング・モール -Matching Mole- 『Matching Mole』
先にご紹介したロバート・ワイアットがソフト・マシーンというプログレ・バンドを脱退した後に結成したバンドで、1972年に発表したアルバム。邦題は「そっくりモグラ」という可愛らしいネーミング。
かなりロバート・ワイアット押しになってる感がありますが、静かな夜に合うんだから仕方なし。特に1曲目は名曲中の名曲。前半は感動を誘う美しい曲が並びます。後半は騒がしい展開も見せますがプログレの入口としても是非。
No.09:エイフェックス・ツイン -Aphex Twin- 『Selected Ambient Works 85-92』
1992年発表の1stアルバムでありエレクトロニカの名盤。夜に限らずあらゆるシチュエーションで重宝できるアンビエント・ミュージックがここにある。
音の息づかいが心地よく、刻まれるビートは自然に鼓動と同期していく。旋律の美しさが際立つ浮遊感あるメロディたちは、きっとそれぞれの空間を幻想的に包み込みます。
No.10:トム・ヨーク -Thom Yorke- 『Tomorrow’s Modern Boxes』
2014年発表のソロ2作目。さすが天才音楽家がエレクトロニカに徹するとここまでの作品を作り上げてしまうのか。
レディオヘッドとはひと味もふた味も違うトム・ヨークの素晴らしき世界。
そもそもトムの歌声は太陽の下には似合わない。このメランコリックかつ浮遊感あるサウンド&メロディ。
そこにトムの美声が乗って来るんだから、もうね、堪らないです。完璧。レディオヘッドの作品を含めた上でも個人的にはかなり好きなアルバム。ヘビロテ必至の名盤。
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