【折坂悠太】平成最後の年末に聴いたアルバム『平成』の衝撃と全曲感想

【折坂悠太】平成最後の年末に聴いたアルバム『平成』の衝撃と全曲感想

イマココカココ、ギタンです。

折坂悠太というシンガー・ソング・ライターをご存知ですか?

最近知ったこのミュージシャン、きっかけはミュージック・マガジン1月号「特集 ベスト・アルバム2018」に触れたことから。ロック[日本]部門において1位に選出されているし、ジャケのアートワークが秀逸かつ『平成』というアルバム・タイトルから文学的な日本語ロックなのかな?と妙に気になった。

宇多田ヒカルや後藤正文(アジカン)を始め多くのミュージシャンが賛辞を送っている存在。さっそくアマゾン・ミュージックでチェックしてみると…。『平成』以外の過去作を聴くことができ、一聴した感想はある意味想像どおり。

歌詞に関しては文学的で古風な言葉選びで綴られ、完全に「和」な趣です。

そんな歌詞とどこか懐かしさも感じる歌は、聴き込むにつれて想像を大きく超える音楽に出会えた感がある。

折坂悠太は平成元年の生まれということなので三十路を過ぎた頃ですね。そして印象としてはそんな世代が創り出す音楽にしては渋い。噛めば噛むほどに味が出る。聴けば聴くほどに感動し、そしてのめり込む。何とも摩訶不思議な感覚。

その個性豊かな歌声と歌唱からは平成と言うよりは昭和、もしくはそれ以前の様な風合いを感じます。

だけど決して古臭いものではなく、音使いや歌からは現代的なセンスをもの凄く感じる。

そして聴きたい衝動に駆られ手に入れた最新作『平成』。

これがいい。「和」の温もりや日本語の歌の良さを再確認できる素晴らしい作品だと思う。

長く付き合うであろう今作。全曲感想を書き記します。

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折坂悠太『平成』全曲レビュー

1. 坂道
オープニングを飾るのは小気味いいイントロから始まる『坂道』。アコギやピアノに続いて暖かく力強い歌声が重なれば、その心地良さに浮き足立つ。ワウの効いたささやかなリズム・ギターもいい味を加えている。和テイストのボサノヴァ的な曲。

2. 逢引
出だしのドラミングからして心湧き踊る今作一番のアップテンポなナンバー。声の振るわせ方や曲間の朗読のような表現、ウッドベース?のベースラインからは古き良き昭和の匂いを感じる。

3. 平成
しみじみと聴き入ってしまう名曲。声の持つパワーが凄い。最小限に鳴り響くピアノのコード弾きを従えて曲は進む。この人は裏声も綺麗。低から高へ伸び行く歌声が胸を突く。

4. 揺れる
ギター弾き語りの2分ちょっとの小曲。「そちらは揺れたろうか」。平成は日本のいろんな場所が揺れた。アルト・サックスの音色に乗せて発するこの言葉にはどんなメッセージが込められているのだろう。

5. 施毛からつま先
様々なジャンルのミクスチャー的な印象を受ける軽やかな曲。フォーク、ジャズ、カントリーの中にまんべんなく振りまぶした和の味付け。『逢引』同様にこういうメロディやアレンジになぜか昭和を感じてしまう。

6. みーちゃん
ジャズ風味を盛り込んだ歌謡曲のような印象。ダークな空気感のバンド・アンサンブルが渋くカッコ良い。コンガ・ドラムも取り入れているようで民族音楽のような趣も感じることができる。後半のサイケな感じもまた好き。

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7. 丑の刻ごうごう
ガット・ギターと歌と効果音。出尽くした感もあるポピュラー・ミュージックの真逆をいくようなオリジナリティを感じる。

8. 夜学
この曲を聴いてかつて好きだった「TOKYO No.1 SOUL SET」というヒップホップ・バンドを思い出した。語りかけるようなラップ調がカッコ良い。民族音楽的なビートと始終聴こえるアルト・サックスがまた最高。

9. take 13
ピアノ+ビブラフォン+アルト・サックスのインストゥルメンタル。

10. さびしさ
今作で一番好きな曲。特にサビからのメロディが秀逸。美しいファルセットから低音への持って行き方が個人的ツボを突く。「吹いてくれ」の叫びの圧倒的な力強さ。演奏の心地良さ。すべてが好き。

11. 光
アルバム・ラストを飾るにふさわしい温もりを感じる弾き語り曲。ギターの音色に絡みつくストリングスの音がこの曲に厚みを加えている。やさしく、静かに、アルバムは幕を閉じる。

2015年『あけぼの』、2016年『たむけ』、2018年『ざわめき』といった作品はよりアコースティックで古風な感じがしますが、今回ご紹介した『平成』では時代もジャンルも飛び越えた現代的なエッセンスと、単純にカッコ良いバンド・アンサンブル、圧倒的な力量をもって惹きつける歌の世界がある。

多くの人に触れて欲しいミュージシャンだし、

今後の活動も作品もとても楽しみな一人です。

 

 

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